流れが空気を巻き込み、泡が残る

水が石や段差にぶつかると、空気が水に巻き込まれます。その小さな気泡が、すぐに消えず水面に残ると、私たちが見かける泡の集まりになります。

泡のできやすさには、水の中の成分も関わります。植物が分解される過程で出る有機物の一部などが水面に集まると、泡ができやすくなります。そこへ流れや波が空気を混ぜ込むと、泡が生まれます。

この仕組みは、米国ミシガン州の環境当局による川や湖の泡の解説でも説明されています。泡があることだけで、洗剤が流れ込んだとは言い切れません。

自然由来の成分でも、洗剤でも泡立つことがある

一方で、洗剤などが川へ流れ込んで泡立つ場合もあります。大阪府の洗剤流出防止の資料には、洗剤の流出によって河川や水路で発泡した事例が示されています。

自然由来の成分でも、人の活動から流れ込んだ成分でも、泡が生じることがあります。だから「泡は全部汚染の印」と決めつけることも、「落ち葉が近くにあるから自然の泡で安全」と考えることもできません。

白いか茶色いか、細かいか大きいかといった見た目は、観察の記録にはなります。ただし、その特徴だけで含まれる物質や濃度までは分かりません。色や消える速さを使った、自己流の安全判定はしないでください。見た目から水質を決められないことは、透明な川は「きれいな川」?見た目だけでは分からないことでも説明しています。

泡ができる場所と、たまる場所は同じとは限らない

流れが空気を巻き込んでできた泡が下流へ移動し、岸際や流れのよどむ所へ集まる様子を示す模式図
上は泡が生じる条件、下は泡が運ばれて集まる様子です。泡の集まった位置だけで、成分が入った場所は特定できません。

泡は、できた場所にずっととどまるわけではありません。流れに運ばれて、岸際や石の後ろなど、流れがよどむ場所へ集まることがあります。

そのため、泡がたくさん集まっている場所を見つけても、そこから原因となる成分が出ているとは限りません。安全な岸から、泡がどちらから来て、どちらへ動くかを眺めると、「できる」と「集まる」の違いが見えてきます。

岸から観察できることその観察だけでは分からないこと
石や段差の下で泡が見える泡立ちに関わる成分の種類
泡が下流へ流れていくその成分が入った正確な場所
岸際に泡が集まっている水や泡に触れてよいかどうか
泡の色や大きさ、見えた範囲汚染物質の有無や濃度

触らず、岸から場所と動きを記録する

泡の正体を調べるために、手ですくったり、顔を近づけてにおいを確かめたりする必要はありません。川へ入って追いかけず、もともと安全に立てる場所から見える範囲を記録します。

  • どこで見えたか。橋や岸の目印、泡が集まっている位置。
  • いつ見えたか。日付と時刻、直前の雨など分かること。
  • どう動いていたか。流れる方向、とどまる場所、見えた広がり。

大量の泡とともに、油のようなもの、普段と違う水の色、多数の死んだ魚などが見られたら、その場での川遊びをやめ、地域の自治体や河川管理者の案内に沿って連絡します。原因を確かめようとして、水や泡を採るところまで親子で行う必要はありません。魚が多数死んでいるときの考え方と連絡の仕方は、魚が大量に死ぬのは水の汚れが原因?にまとめています。

たとえば大田区の異常発見時の案内では、魚の大量浮上や油の流出、異常な着色について連絡を受け、現場に応じて水質検査を行うとしています。連絡先は見つけた場所の自治体で確かめ、写真がなくても、見た状況を分かる範囲で伝えます。

川の泡について、よくある質問

白い泡なら、洗剤が原因ですか?

洗剤で泡立つ場合はありますが、植物由来の成分などでも泡はできます。白いという見た目だけで、洗剤が流れ込んだかどうかは判断できません。

泡がすぐ消えれば、その水は安全ですか?

泡の消える速さだけでは、安全性は分かりません。泡に触れたり、川の水を飲んだりして確かめることはせず、岸から見える様子を記録します。

泡の「道」を追ってみよう

次に川で泡を見かけたら、泡そのものの正体を決める前に、どこで見えて、どちらへ動き、どこに集まるかを眺めてみてください。白い点の移動から、水面の流れが見えてくることがあります。水面を動く小さな虫の見つけ方は、川の水面にいる小さな虫は何?で紹介しています。雨のあとの濁りについては、川の水が濁るのはなぜ?へ。

観察メモには、石や岸の形を簡単に描き、泡が動いた方向を矢印で残せます。「成分は分からないけれど、石の後ろに集まっていた」という記録も、川の様子を知る一歩になります。