魚が大量に死ぬのは水の汚れが原因?酸欠との関係と、見つけたときの対応

川でたくさんの魚が死んでいるのを見つけたら、まず子どもと水際から離れ、魚や水に触れず、その場所の自治体や河川管理者へ知らせます。原因を調べようと近づくより、見つけた場所と様子を伝えることが役立ちます。
魚の大量死は、化学物質の流出だけでなく、水中の酸素不足や病気などでも起こります。複数の要因が重なる場合もあり、死んだ魚の数や水の見た目だけでは原因を決められません。
目次
原因には、酸素不足・化学物質・病気などがある
行政の発表に出てくる「へい死」は、生き物が死ぬことを表す言葉です。「へい死が発生」と書かれていても、その言葉だけでは原因まで分かったことにはなりません。
大田区の魚のへい死に関する解説では、酸素欠乏、化学物質の流出、傷や病気を代表的な原因に挙げています。これらが重なる場合もあります。
| 考えられる要因 | どんなことが起きる? |
|---|---|
| 水中の酸素不足 | 魚が呼吸に使う酸素を十分に取り込めなくなる |
| 化学物質の流出 | 流入した物質が魚などに影響を与える |
| 傷や病気 | 外傷や感染などが魚の生存に影響する |
これは原因の候補を整理した表です。「こう見えたらこの原因」と現場で判定するための表ではありません。生きている魚が近くにいても、一帯の水が安全だと判断できるわけではありません。
「酸欠なら、汚れとは無関係」ともいえない
水に溶けている酸素を「溶存酸素(ようぞんさんそ)」といいます。魚の呼吸には、この酸素が関わります。
水中の汚れを分解する過程で酸素が使われ、魚が利用できる酸素が少なくなることがあります。そのため、「汚れの流入」と「酸欠」は、どちらか一方だけが起こる二択ではありません。
2026年9月、ブラジルのグアライ市による調査発表でも、魚が死んだ場所で水を調べ、酸素の少ない状態を確認しています。発表では、汚れの流入と酸素の低下に関連を示す兆候があったとし、調査を続けるとしています。
これはその地域の調査結果です。同じような魚の死に方を見たからといって、日本の目の前の川でも同じ原因だとはいえません。ニュースを読むときも、「酸素が少なかった」という測定結果と、「なぜ少なくなったか」という原因の説明を分けます。
調査をしても、「可能性」と「確定」は分かれる
2026年10月の岐阜県・大垣市の水路での発生事例では、水深が浅く、溶存酸素の値から酸欠の可能性があるとしつつ、原因は不明と発表しています。
水を測れば、いつでもすぐに原因が一つに決まるわけではないことが分かります。発表を読む際は、次の違いに注目してみてください。
- 確認されたこと:魚が死んでいた区間、その時刻に測った水の値など。
- 考えられること:酸欠が関わった可能性など。
- まだ分からないこと:何がきっかけだったか、複数の要因が重なったかなど。
「原因不明」は、何も調べていないという意味とは限りません。確認できた結果と、まだ結論を出せないことを分けている場合があります。付近に工場や畑があるというだけで、原因者を決めつけないことも大切です。
見つけたら、調べる前に離れて連絡する

親子で遭遇したときは、その場の観察や川遊びをやめて、水際から離れます。魚を拾う、水を採る、弱った魚を別の場所へ移すといった対応は、自分たちで始めません。
連絡先は、発見した場所の市町村の環境担当課や河川管理者です。公園や施設なら、まず現地の管理者へ知らせる方法もあります。地域によって窓口が違うので、「市町村名 水質事故 通報」などで公式の案内を確認します。
大阪府の異常水質の通報案内では、次のような情報を分かる範囲で伝えるよう求めています。
| 伝えること | 無理なく伝える例 |
|---|---|
| いつ見つけたか | 今日の午前、散歩中に気づいた時刻 |
| どこか | 川の名前、近くの橋や建物 |
| どんな様子か | 魚が何匹も浮いている、水に色が付いて見えるなど |
| どのくらいの範囲か | 橋の下付近、岸から見える範囲など |
正確な匹数や種類を調べるために、川へ入る必要はありません。写真も安全な場所から撮れる場合だけで十分です。子どもから目を離して撮影や検索を続けず、分からない項目は「分からない」と伝えます。
家で調べ直すなら、水の見え方と測定を分ける
帰宅後、子どもが「水は透明だったのに」と不思議に思ったら、透明さと、水に溶けているものは別だと考えてみましょう。酸素の量も、眺めるだけでは分かりません。
この違いは、透明な川と水質の関係で詳しく紹介しています。異常のあった川へ戻って実験するのではなく、公式の調査結果や資料から続きを調べられます。
発見した日のメモと、後日出た行政の発表を比べると、「自分が見たこと」と「調査で分かったこと」の違いにも気づけます。原因を言い当てられなくても、見たことを正確に残せれば役に立ちます。
魚の大量死を見つけたときの、よくある質問
水がきれいに見えれば、毒物の流入はないですか?
見た目だけでは分かりません。透明さは、有害な物質がないことや酸素が十分あることの証明にはなりません。魚の大量死を見つけた場所では、見た目で安心せず管理者へ知らせます。
弱っている魚を、別の川や水槽へ移してもいいですか?
自分の判断で移しません。原因も魚の種類も分からない段階で、救出や移動を始めるのは避けます。魚や水に触れず、現地の管理者や自治体の案内に従ってください。
何匹以上なら通報すればいいですか?
全国共通の匹数を目安にするのではなく、魚が何匹も死んでいる、油や着色した水が流れているなど、異常に気づいたら地域の窓口へ知らせます。数え直すために近づかず、見えた範囲を伝えましょう。
原因を当てるより、見たことを確かに伝える
「水が汚れたのかな」と思うのは、川の変化に気づいたからこその疑問です。その疑問をすぐ答えにせず、場所、時刻、見えた様子に分けて伝えてみてください。
まず離れて連絡し、調査の続きは公式の発表で確かめる。親子でできることと、専門の調査で分かることを分ければ、無理に近づかなくても、川で起きたことを知る一歩になります。


