川の濁りの原因を考える手掛かりは、「何が混ざっているのか」と「どうやって水に混ざったのか」の二つです。

川の濁りの中身は、泥だけではない

川が濁ると聞いて、泥を思い浮かべる人は多いでしょう。泥に含まれる細かな粒は、濁りの原因の一つです。ただ、水の中に混ざるものは、それだけではありません。

国土交通省「川の防災情報」の濁度の解説では、濁りの原因として、粘土性の物質、プランクトンなどの微生物、有機物質が挙げられています。

土の細かな粒のように生き物ではないものもあれば、プランクトンのような小さな生き物もあります。有機物には、生き物に由来するものが含まれます。ひとまとめに「濁り」と呼んでいても、その中身は同じではないのです。

また、川底に泥がたまっていることと、その泥が水の中に混ざっていることは別です。大雨は、泥のある場所を変えるきっかけにもなります。

大雨で川が濁る原因は、土や泥が水の中へ動くこと

大雨のときに起こる変化は、二つに分けられます。外から土が流れ込むことと、もともと川底にあった泥が動くことです。

外から土が流れ込む

埼玉県環境科学国際センターの川や池の着色に関する解説には、雨や工事によって土が流れ込み、濁りが生じることが紹介されています。

川の周りから土が入ってくれば、それも水に混ざります。川の濁りには、水が流れている場所だけでなく、その周りで起きたことも関わるのです。

川底の泥が巻き上がる

外から入ってくる土だけが、雨の後の濁りをつくるわけではありません。

千葉県の水源水質の解説では、大雨で雨水が川へ流れ込み、流量が急に増えると、川底の泥が巻き上げられて濁ることが説明されています。流量とは、川のある地点を一定の時間に通過する水の量のことです。

川底にあった泥が流れで持ち上がり、水の中に混ざる。それまで底にあったものが、水と一緒に流れるようになる変化です。「外から入る」と「底から巻き上がる」を分けると、同じ川でも水の見え方が変わる理由が分かります。

雨の後や急に濁りが変わった川へ、原因を確かめるために近づくのはやめましょう。川遊びの予定を考えている場合は、雨の後の川遊びを延期する判断を確認してください。

同じ白い濁りでも、川に流れ込んだ原因が違った事例

雨や土砂以外にも、川や水路へ流れ込んだものが濁りをつくることがあります。

埼玉県環境科学国際センターは、県内で起きた水質事故として、次の二つを紹介しています。

発生した時期と場所説明されている原因
2020年度、県南部のある川誤って流された白い塗料
2022年度、県南部のある水路流出したモルタル混和剤

モルタルはセメントを使った建築材料で、混和剤(こんわざい)は、その性質を調整するために加えるものです。

どちらも白く濁った事例ですが、流れ込んだ物質は異なります。「白かった」という見え方の説明だけでは、塗料なのか、混和剤なのかは決まりません。

この二つは、原因について説明のある過去の事例です。別の川で似た色を見たときにも、同じものが流れたとは限らないのです。

川の濁りについてよくある質問

雨が降っていなくても、川は濁りますか?

濁ることがあります。工事などに伴って土が流れ込む場合や、塗料などが流出した事例もあります。雨だけが原因とは限らないので、何が混ざったのかを示す情報が要ります。

濁りがなくなれば、水がきれいになったと考えてよいですか?

濁りが見えなくなったことだけでは、水質の状態までは分かりません。目に見えない成分もあるためです。見た目と水質の違いは、透明な川は「きれいな川」なのかで説明しています。

川の濁りの原因は、「何が混ざったか」で読む

誰かに説明するときは、「白く濁った川があった」で終わらず、「その事例では、塗料が流れたと報告されていた」と続けてみると、見え方と原因を分けて伝えられます。