水生生物調査の結果は、まず年度・調査日時・地点を読む

例として、千葉県の令和7年度水生生物による水質調査結果を見てみましょう。このページから開ける「調査結果詳細」のPDFには、地点ごとの記録が載っています。

先頭の行から、日時と場所を取り出すと次のようになります。

確かめる項目公表資料に書かれている内容
資料の年度令和7年度(2025年度)
調査日時2025年9月7日13時
川の名前村田川
調査地点瀬又浄水場下

ページの更新日は2026年1月20日ですが、この行の調査が行われたのは2025年9月7日です。「公表ページが更新された日」と「川で調べた日」は違います。

また、村田川という名前だけでなく、「瀬又浄水場下」という地点名まで読みます。同じ川でも、どの場所で調べた結果なのかが分からなければ、ほかの記録と比べにくくなります。

川の生き物で水質を判定する方法:指標生物の調べ方

水質の手掛かりとして使う生き物を「指標生物(しひょうせいぶつ)」と呼びます。国土交通省と環境省の手引き『川の生きものを調べよう』(PDF)では、見つかった指標生物の種類をまとめ、数が多かった種類も評価に加えて、水質階級を判定します。

たまたま目に入った一匹の名前だけで決めるのではなく、記録された種類と、そのうち多く見つかった種類を、決められた方法でまとめます。

この手引きの水質階級は、有機物を多く含む排水が川に入ったとき、環境や生き物がどう変わるかを調べてきた研究をもとにしています。生き物によって酸素への反応が違うことは、汚れた川にも生き物がすめる理由で説明しています。

公表表の「Ⅱ」などの記号は、こうした方法で判定された結果です。

水質調査の読み方の例:複数の指標生物がいて公表結果は「Ⅱ」

先ほどの村田川の行を、今度は生物欄と水質階級まで追ってみます。詳細PDFでは横に長い表が複数ページに分かれているため、同じ行の続きを見ます。

読むところこの地点に記録されている内容
指標生物の欄コオニヤンマ、コガタシマトビケラ類、シマイシビル、ミズムシ、エラミミズに記録がある
県が公表した水質階級Ⅱ(ややきれいな水)

国の手引きでは、エラミミズはⅣの指標生物に入っています。それでも、この地点の公表結果はⅡです。「エラミミズがいたからⅣのはず」と、一種類だけを取り出して読み替えることはできません。

同じ行に、手引きではⅡ・Ⅲ・Ⅳに分けられる生き物が記録されています。生物ごとの区分と、その地点をまとめて判定した結果は、分けて読む必要があるのです。

なお、元の生物欄には「1」「2」などの数字があります。この資料では、それぞれの数字の意味を説明する凡例を確認できていないため、匹数とは読みません。数字の意味が分からないまま足し合わせず、県が公表した階級をそのまま受け止めます。

水生生物調査を別の年と比べるときも、日時と場所に戻る

「去年よりきれいになったのかな」と思ったら、まず同じ時期・同じ場所の調査かを確かめます。国の手引きでも、年ごとの変化を調べるには、同じ時期に同じ場所で調査することが勧められています。

方法が違ったり、調べた時期や場所が違ったりする結果を並べても、階級の違いがそのまま水質の変化を表すとは限りません。本流と区別されるワンドやたまりも、手引きでは別に記録する扱いです。

村田川の例も、「2025年9月7日13時に、瀬又浄水場下で調べた結果」として読みます。それを、今の村田川全体の状態へ広げることはできません。

水生生物調査の結果についてよくある質問

「判定不能」は、最も水が汚れているという意味ですか?

違います。環境省が公表した令和7年度の全国調査結果では、「判定不能」は指標生物が見つからなかった場合などと説明されています。Ⅰ〜Ⅳの次にある最悪の階級ではなく、生き物が一切いないという意味でもありません。結果表の注記と一緒に読みましょう。

ⅠやⅡなら、その川で泳いでもよいのですか?

水生生物による水質階級だけでは判断できません。これは生き物をもとにした調査結果で、飲用や遊泳を認めるものではありません。川へ出かける場合は、家族で読む川遊びの安全チェックで現地の利用条件などを別に確認してください。

川の水質調査の公表表は、一行を日時と地点からつないで読む

千葉県の結果ページから詳細PDFを開いたら、一つの行について、調査日時、地点、生物の記録、水質階級を順に探してみてください。ページが変わっても、同じ行を追うのがポイントです。

「村田川はⅡだった」だけでなく、「2025年9月7日13時、瀬又浄水場下で行われた調査は、Ⅱと公表されている」。日時と地点を添えると、どの記録について話しているかが伝わります。