川底にじっとしている魚は何をしている?体の形と暮らし

川の魚の写真を見ると、水の中を泳ぐ姿だけでなく、石の上に付いていたり、すき間から顔を出したりする姿もあります。「どうして底にいるの?」「休んでいるのかな?」と気になるかもしれません。
川底を使う魚には、石に付いて過ごすものや、昼は石陰などに隠れ、夜に餌を探すものがいます。 カワヨシノボリの腹びれは吸盤のような形をしており、ドンコは主に夜に活動します。ただし、じっとして見える一瞬の姿だけで、眠っている、餌を待っているとは決められません。
目次
体のどの部分を使うか、石のどこにいるか、いつ動くか。この三つから、川底での暮らしを見てみましょう。川へ出かけるときは、家族で読む川遊びの安全チェックも確認してください。
川底の魚カワヨシノボリは、お腹側のひれが吸盤のような形
カワヨシノボリは、小さく細長い体をした魚です。ひれというと、尾びれを振って泳ぐ姿を思い浮かべますが、この魚には、石に付く暮らしに関わるひれがあります。
お腹側にある「腹びれ」です。国土交通省・弥栄ダムのカワヨシノボリの解説では、腹びれが吸盤状になっていると紹介されています。水中を進むだけでなく、物に付くためにも、ひれの形が役立つのです。
但馬地方のカワヨシノボリの観察記録にも、岩に付いて流れに耐える姿が紹介されています。体を付ける岩があることも、この魚の居場所を考える手がかりになります。
弥栄ダムの解説によると、カワヨシノボリは石の表面に付く藻類や、小さな水生昆虫を食べます。石は体を付ける場所であるとともに、食べ物とも関わる場所です。
川底でじっとしているドンコは、昼に隠れ夜に餌を探す
一方、ドンコはずんぐりした体つきの魚です。川底での姿を考えるときは、体形に加えて「時間帯」が手がかりになります。
2003年の館だよりをもとに改訂された和歌山県立自然博物館の解説では、ドンコは基本的に夜行性で、昼間は石陰や倒木の脇に隠れ、夜になると動き出してエビや小魚を食べると説明されています。夜行性とは、主に夜に活動する性質のことです。
昼に隠れている姿だけを見ていると、ドンコが餌を探して動く時間までは分かりません。石や倒木の近くで過ごす時間と、夜に動く時間を合わせて知ることで、一日の暮らしがつながります。
昼に隠れるドンコの例を、川底にいる魚すべてに当てはめることはできません。体の特徴だけでなく、種類ごとの活動する時間にも違いがあります。
川底の魚についてよくある質問
石に付いている魚は、みんなカワヨシノボリですか?
いいえ。吸盤状の腹びれを持つ魚は、カワヨシノボリだけではありません。石に付く姿や大まかな体形だけで、種類を決めることはできません。名前を知ろうとして魚を捕まえたり、お腹を見ようとひっくり返したりせず、分からない場合は候補にとどめましょう。
同じ場所から動かない魚は、何もしていないのですか?
動いていないように見えても、それだけで活動していないとは言えません。石に体を付ける魚もいれば、水の流れの中で泳ぎ方や姿勢を調整して場所を保つ魚もいます。後者の動きは、川の魚が上流を向く理由と、場所を保つ行動で紹介しています。
川底の魚を観察するなら、石の上と下で見え方を比べる
但馬情報特急のカワヨシノボリの観察記録には、石の下から顔を出す写真と、岩の上に付いている写真が載っています。2020年12月27日公開の、コウノトリ市民研究所・北垣和也さんによる記事です。
二つの写真で、「魚の体は石のどこにあるか」を比べてみてください。片方は石の下から顔が見え、もう片方は岩の上に体が見えます。同じカワヨシノボリでも、石との位置関係が違っています。
腹びれの吸盤そのものは、この二つの写真では見えていません。写真で確かめられる位置と、解説で知った体の特徴を分けると、見えた以上のことを決めつけずに暮らしを考えられます。


