少し拾える川もある。でも、場所の決まりは別

国土交通省の子ども向けQ&Aは、川の土や石を持ち出すには原則として管理者の許可が必要としたうえで、少量なら持ち帰ってよいと説明しています。

ここでいう少量を、「全国どこでも何個まで」と数に置き換えることはできません。川原で気に入った小石を個人で少し拾う話と、庭づくりなどのために土石をまとめて運び出す話は分けて考えます。石ではなく生き物を連れて帰るかどうかは、川の生き物を持ち帰る前の判断で別に確かめます。

もう一つ大切なのが、石を見つけた場所です。同じ川沿いでも、自然を守るために採取できない区域や、私有地が含まれることがあります。「川の石だから自由」とは決めず、案内板や管理者の説明に目を通します。看板や管理者への確かめ方は、公園の川で生き物採集をする時のルール確認と同じ手順で進められます。

採取できない場所では、写真を持ち帰ろう

調べたいのは、難しい法律の名前よりも「ここで拾ってよいか」です。次のような場所では、小石でも袋に入れる前に立ち止まります。

場所や案内親子での楽しみ方
石の採取禁止と案内されている場所、天然記念物の採取禁止区域石を残し、写真や絵で気に入った形を記録する
国立公園公園の利用案内に従い、石は持ち帰らずに観察する
私有地、管理の範囲が分からない場所所有者・管理者に確認する。分からない間は拾わない

たとえば、新潟県の糸魚川地域の案内は、河川でごく少量を採る場合の説明とは別に、天然記念物の小滝川硬玉産地・青海川硬玉産地では岩石などを採取できないと知らせています。私有地についても、河川管理者だけでは判断できないとしています。

また、環境省の国立公園の利用案内では、植物や動物とともに石も持ち帰らないよう呼びかけています。親子の散策では、この案内に合わせて写真やスケッチで楽しむと迷いません。

場所の名前と案内板を撮っておけば、帰宅後に調べる手がかりになります。石を持ち帰れない日も、「なぜここでは石を残すのだろう」という疑問まで持ち帰れます。

気に入った石を、色・形・模様で見てみる

石の色・形・模様を別々に記録する図。灰色か茶色か、丸いか角があるか、白い線や点があるかを見る
石の種類を当てる前に、目で見える特徴を残してみましょう。

石の名前が分からなくても、観察は始められます。「きれいな石だった」の先に、どこが気に入ったのかを一つ足してみます。

  • 色:全体は灰色。よく見ると、茶色いところもある。
  • 形:平たい。片側は丸く、反対側には角が残っている。
  • 模様:白い線が一本ある。裏側まで続いているかは、まだ見ていない。

これは記録の例です。色や線だけで石の種類を決めるための一覧ではありません。見ていないところを「なかった」と書かず、気づいたところだけ残せば十分です。角が丸い石と角の残る石が同じ河原に並ぶ理由は、川の石はなぜ丸い?流れの中で角が減るまでで説明しています。

撮影するときも、石を見つけたからといって水際へ身を乗り出す必要はありません。立ち止まって観察できる場所から見える石を選びます。石を外したり、大きな石を裏返したりしなくても、表面の模様は探せます。大きな石の裏側は、川の石の下で暮らす小さな生き物のすみかでもあります。

家では、石か写真をノートの横に置いて

持ち帰ってよいと確かめた小石なら、家で落ち着いて見直せます。写真を持ち帰った場合も同じです。ノートに輪郭を描き、気に入った線や点を足してみてください。

日付と見つけた場所も添えると、「あの橋の近くで見つけた石」と思い出しやすくなります。小さな子なら、保護者が日付を書き、子どもは好きな模様を一つ描く分担でも楽しめます。

名前を調べたくなったら、まずは描いた形と実物や写真がどこで違うかを見比べてみましょう。名前が分かる前にも、自分で見つけた違いがノートに残ります。

川の石の持ち帰りで、よくある質問

一つだけなら、どこで拾っても大丈夫?

一つでも、採取禁止の場所では拾いません。個数だけで決めず、現地の案内やその土地の扱いを確かめます。判断できない場所は、石を残して写真で記録しましょう。

石を持ち帰らずに観察メモを作れますか?

作れます。石の写真やその場で描いた絵に、日付・場所・気に入った特徴を添えます。写真で見えなかった部分は、想像で埋めずに「分からない」と残しておけば大丈夫です。

次の散歩は、一つの模様を覚えて帰ろう

拾える場所かを確かめたら、次は「どの石が好き?」と聞いてみます。持ち帰るのは小石でも、写真でも、白い線を一本描いたメモでも構いません。

かわみっけの観察メモには、見つけた場所と特徴を残せます。今日気に入ったところを一つ書いておくと、次の散歩で石を見る楽しみが増えそうです。