川の観察をグラフにするには?数え方と「分からない」の残し方

観察ノートに「2回」「5回」と書いてある。棒グラフにしたいけれど、何を題名にすればよいのか、行かなかった日は0にしてよいのか。数字を並べ始めると、迷うところが出てきます。
まずは、数えたものと見ていた時間を確かめましょう。分からないところを埋めずに残すことも、観察を伝える大切な仕事です。
川の観察をグラフにする前に、「何を」「何分間」「どこで」数えたかを表にします。 条件のそろった回数を比べるなら棒グラフが候補です。観察して0回だった日と、観察しなかった日は区別し、数値がない日を0に置き換えないでください。
目次
「魚を見た数」は、匹数なのか回数なのか
たとえば「魚が水面から跳ねるところを、10分間で2回見た」という記録を考えます。これは跳ねた回数です。同じ魚が2回跳ねた可能性もあるので、2匹いたとは言い切れません。
自分のノートにも、数字の横へ「何の数か」を書き添えてみます。「魚を3回見かけた」と「同時に3匹が見えた」では、数えたものが違います。違う数え方の数字を、一つのグラフへまとめないようにしましょう。
数え方を思い出せない場合は、その数字を無理に使わず、写真や気づいたことを中心にまとめられます。次の観察用には、川の観察ノートに残す項目を参考に、時間と数え方の欄を作れます。
先に表を作り、0と未観察を分ける
次の表は、説明のために作った架空の記録です。実際の川で調べた結果ではありません。同じ場所・同じ時間帯に、一人が10分間ずつ「魚が跳ねたと確認できた回数」を数えた設定です。
| 日 | 観察した時間 | 跳ねたと確認できた回数 | 記録の意味 |
|---|---|---|---|
| 1日目 | 10分 | 2回 | 跳ねるところを2回確認した |
| 2日目 | 10分 | 5回 | 跳ねるところを5回確認した |
| 3日目 | 10分 | 0回 | 10分見たが、跳ねるところは確認できなかった |
| 4日目 | 観察していない | — | 数値がない。0回とはしない |
3日目の0回は、「川に魚がいなかった」という意味ではありません。見ている間には跳ねるところを確認できなかった、という結果です。4日目は観察そのものをしていないので、数は分かりません。
自分の記録で場所や時間帯が違う場合も、その違いを表へ残します。後から記録を書き換えて条件を合わせず、どの日なら同じ数え方で比べられるかを考えます。
棒グラフは0から描き、単位を付ける
上の表なら、横に日、縦に回数を置いて棒グラフにできます。最初は色をたくさん使わず、同じ数え方の棒を同じ色で描くと、長さを比べやすくなります。
- 題名に「10分間に魚が跳ねたと確認できた回数」と書く。
- 横に1日目から4日目を並べる。
- 縦は0から始め、1、2、3……と同じ間隔で目盛を付ける。単位は「回」。
- 1日目は2、2日目は5まで棒を描く。
- 3日目は0の位置に「0回」、4日目は棒を描かず「未観察」と書く。
棒の長さを比べるときは、途中の目盛を省いて差を大きく見せないようにします。回数が大きいなら、1目盛を2回や5回にしても構いません。ただし、途中で間隔を変えず、いちばん大きな数まで入るようにします。
題名・単位・数え方の補足を付ける考え方は、総務省統計局「グラフ作成の基本」でも説明されています。見る人が元のノートを持っていなくても分かるように書きましょう。
グラフから言えることを、一文で書いてみる
この例なら、「観察した3日間では、2日目に確認した回数が最も多かった」と書けます。一方で、「2日目は魚が一番多くすんでいた」とまでは分かりません。数えたのは匹数ではなく、跳ねるところを見た回数だからです。
「暑かったからよく跳ねたのかな」と考えたら、それは結果とは分けて書きます。気温を測っていないなら、その点も添えておきます。三つの数字だけで理由を決める必要はありません。
大人は結論を言ってしまう前に、「このグラフで一番目につくのはどこ?」と聞いてみます。子どもが棒の違いを指して説明できたら、その言葉を一文にするところから始められます。
時間が違う、数がない――そんな記録はどうする?
| 困ったこと | まとめ方の候補 |
|---|---|
| 10分の日と30分の日がある | 観察時間も表に載せ、回数だけで多い・少ないを結論にしない |
| 見ていた時間を書いていない | 時間は不明とし、そろった条件での比較には使わない |
| 1日分しかない | 表と写真で、その日の観察を詳しく説明する |
| どの日も0回だった | 0回と観察時間をそのまま残し、見え方や気づいたことを添える |
| 写真はあるが数を数えていない | 写真で確かめられる範囲を説明し、現地で数えた数字は作らない |
30分で6回を「10分当たり2回」と計算することはできますが、どの10分間も2回だったわけではありません。最初の自由研究では、元の回数と時間を表で残すだけでも、条件の違いを伝えられます。 魚そのものを確認できなかった場合は、見つからなかった日の自由研究のまとめ方も使えます。
グラフの空欄を埋めるために川へ行き直す必要はありません。手元の記録から確かめられることをまとめ、川の自由研究のまとめ方に沿って、次に知りたいことへつなげられます。
棒・折れ線・円グラフは、何を伝えたいかで選ぶ
| 伝えたいこと | 候補 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 日や項目ごとの数の違い | 棒グラフ | 同じ数え方・単位で比べる |
| 時間とともに変わる様子 | 折れ線グラフ | 時間の間隔を正しく表し、未観察の値を作らない |
| 一つの全体の中での割合 | 円グラフ | 重複しない項目に分け、合計が何を表すか示す |
「魚を見た日」と「鳥を見た日」は、同じ日が両方に入ることがあります。この二つをそのまま円グラフの区切りにすると、全体の意味が分かりにくくなります。種類の違うグラフをたくさん載せるより、伝えたいことに合う一つを選びましょう。
方眼ノートは、目盛と説明の余白を試して選ぶ
家に方眼紙があれば、それで始められます。方眼の1マスを必ず1回にする必要はなく、数字に合わせて目盛を決められます。小さなマスが書きにくい子は、2マス分を使う方法もあります。
記録とグラフを一冊に残したい場合は、コクヨ「キャンパスノート(用途別)5mm方眼罫 ノ-30S5N」も候補です。セミB5・30枚で、細かい方眼に沿って縦横の線を引けます。学校でノートの大きさや罫線が決まっている場合は、その指定に合うかを先に確かめてください。
目盛をそろえて描きたい、毎回の表も同じ一冊に残したいなら、5mm方眼のノ-30S5Nを確認してみてください。 大きな文字や図を一枚へまとめたい場合は、ノートに収まるかも考えて選びます。公式ショップで型番、冊数、送料を含む合計を確認できます。
川の自由研究のグラフでよくある質問
数字が少なくてもグラフにしてよいですか?
数が少なくても、何を比べたいかが伝わるなら使えます。ただし、記録が一つだけなら表と説明の方が読みやすい場合もあります。グラフの数を増やすことより、何を数えたかを明らかにしてください。
観察しなかった日は、空欄だけでよいですか?
空欄だけだと、0なのか書き忘れなのかが分かりません。「未観察」「記録なし」など、実際の状態を言葉で添えます。観察したけれど数を控えなかった場合も、0とは書きません。
パソコンでグラフを作ってもよいですか?
学校に作り方の指定がなければ選択肢になります。入力した表とグラフを見比べ、単位、目盛、0と未観察の扱いを確認してください。ソフトによって空欄の扱いが違うこともあるため、表示された形だけで完成とせず、元の記録と照合します。
今日の記録に「何を何分」を書き足そう
最初にするのは、きれいな棒を描くことではありません。ノートから数字を一つ選び、「何を」「何分」数えたものかを確かめます。
そこが分かれば、比べられる記録と、説明を添えて残したい記録が見えてきます。分からないところも書いた表が、グラフを作る土台になります。



