最初は、じっくり見られる一枚を選ぼう

家で描くなら、自分で撮った写真の中から、魚の体が比較的よく見える一枚を選びます。小さくしか写っていなくても、見える特徴を描けます。拡大してもぼやけている部分は、そのまま不明として残してください。

図鑑や展示を見て描く場合は、何を見たのかを添えます。「自分で観察した魚」「図鑑の写真を参考にした魚」「帰宅後に思い出して描いた魚」は、記録として違います。本なら書名とページ、展示なら施設名と見た日も控えると、あとで確かめられます。 詳しい書き残し方は、図鑑・ウェブ・展示の参考情報の記録例で確認できます。

展示では筆記や撮影の決まりに従い、周りの人の通行を妨げない場所で見ます。よく描くために水槽をたたいたり、魚を動かそうとしたりはしません。川辺での撮影から始めたい場合は、生き物の写真を残すマナーを先に確認してください。

頭と尾を置き、体の外側の線から描く

紙の真ん中に、魚を描く場所を大きめに取ります。周りには短い説明を添える余白も残しましょう。尾の先まで入るかを考えてから、頭の先と尾の先の位置を軽く印します。

次に、背中側とお腹側の線をつなぎます。この体の外側を囲む線が「輪郭」です。まず薄く描き、写真を見直しながら、体の細長さや背中からお腹までの幅を調整します。

最初から目やうろこを描き込まなくて大丈夫です。輪郭が描けたところで一度止まり、「尾のところはもっと細かったかな」と全体を見直します。

目やひれは「どこに見えるか」を確かめて足す

目を描くときは、頭のどのあたりに見えるかを、口の先や背中の線と見比べます。ひれも、体のどこから出ているように見えるかを確かめてから描きます。

見る部分確かめたいことよく見えないとき
目と口頭の中での位置、見える線位置が分からなければ、無理に丸や線を足さない
背中側・お腹側のひれ見えた位置と、おおよその形水や体に隠れていたことを言葉で残す
尾先の形、体とのつながり写真の外へ切れていたら、見えているところまで描く

図鑑にひれが載っていても、自分の写真で見えなかった部分を、そのまま写し足すことはしません。図鑑で知った姿も描きたいなら、別の絵にして「図鑑を参考にした図」と分けます。

名前の判断に必要な特徴が気になったら、小魚の体形・模様・泳ぎ方の見方へ。観察スケッチは、名前が決まらなかったときにも、どこまで見えたかを伝えられます。

模様は、見えた場所にだけ描き込む

体の横に線が見える、背中側に点が並ぶ、尾の付け根だけ色が違う。気づいた特徴を一つずつ足します。全身をきれいに塗ろうとするより、どこに模様があったかが伝わるようにします。

水面の影や光の映り込みが、魚の体の線に見えることもあります。写真だけでは判断できない場合は、「線のように見えるが、模様か影かは分からない」と添えられます。色も同じで、照明や写真によって見え方が変わるため、「写真では灰色に見えた」のように書くと、そのときの条件を残せます。

魚のスケッチを、全体の輪郭、見えた特徴、短い言葉の補足へ進める三段階の模式図。見えない部分を想像で足さない。図を大きく開く
描く順番を示す模式図です。実際のひれの位置や模様は、観察した魚に合わせて描いてください。

絵で表せないことは、短い言葉で添える

魚の動きや、途中で見えなくなったことは、一枚の絵だけでは伝わりません。矢印や短文を使って補えます。ただし、矢印を付けた理由が分かるように、「泳いでいった向き」のような言葉も添えます。

残したいこと添え方の例
動き「草の方へ泳いだ」と矢印を付ける
見えなかった部分「体の反対側は見ていない」と書く
大きさ測っていなければ「長さは測っていない」と書く
後から思い出したこと「帰宅後の記憶から描いた部分」と分ける

大きく描いた絵から、実際の魚の長さが分かるわけではありません。写真の中に定規がない、距離や縮尺が分からないといった場合には、もっともらしいセンチメートルの数字を付けないでください。長さを確かめるために魚を捕まえ直す必要もありません。

生物を線で描き、絵だけで表せない部分を言葉で補う考え方は、慶應義塾大学の生物学実験のスケッチ教材でも紹介されています。これは大学の実験向けの資料です。家庭での記録では、鉛筆の硬さなどを一律にそろえるより、学校の指示と子どもが書きやすい道具を優先できます。

描きにくいときは、完成させる範囲を小さくする

魚が動いて細部を見られなかった日は、輪郭と泳ぐ向きだけでも残せます。ひれを全部描こうとして困ったら、よく見えた一つの特徴を選んでみましょう。

子どもが「変な形になった」と言ったら、写真と並べて「ここはどんなふうに見えた?」と聞いてみます。大人が代わりに仕上げなくても、本人が気づいて修正した線には、見直した跡が残ります。

一度に仕上げなくても構いません。元の絵を残し、別の紙で描き直した日付を添えれば、後から分かったことも比べられます。記録の残し方は、川の観察ノートの書き方でも確認できます。

一匹と説明を書くなら、紙の余白を先に確かめる

鉛筆と手元の白い紙で始められます。描いたものを一冊にまとめて残したいなら、画用紙をとじたスケッチブックも候補です。

たとえばマルマン「図案スケッチブック S140」は、B5サイズ・画用紙24枚のリングとじです。魚一匹と、その周りの短い説明を一枚へまとめたいときの候補になります。二匹を大きく並べる、細かな部分も別図で描く、といった使い方では、B5で足りるかを確かめてください。

描いた魚と気づきを一緒に残す一冊が欲しいなら、まずB5程度の紙で、絵と説明が収まるかを試してみてください。余白が取れそうなら、S140の用紙と購入先を確認できます。 メーカーの商品ページから楽天市場店へ進めます。型番と冊数、送料を含めた金額を確認して選びましょう。

マルマン 図案スケッチブック S140の用紙と購入先を確認する

魚の観察スケッチでよくある質問

色鉛筆で塗ってもよいですか?

家庭で見えた色を残す方法として使えます。模様や輪郭が分からなくならないよう、必要な場所を選んで塗ってください。理科の課題で鉛筆や線の描き方が指定されている場合は、その指示を優先します。

写真をなぞるだけでもよいですか?

自分の写真で形を確かめる練習には使えます。その場合は写真をなぞったことを記し、見えた特徴や気づきを言葉で足すと、何に注目したかが伝わります。学校に提出する作品は、課題の条件を確認してください。

左右の向きや大きさが違う絵でも、比べられますか?

どの向きから見た絵か、実際の長さを測ったかを添えます。紙の上で大きく描かれている魚が、実物も大きいとは限りません。比べたい特徴が見える図や写真を選び、向きや縮尺の違いを残してください。

まずは頭と尾の位置を、紙に置いてみよう

魚の姿を全部覚えてから描き始める必要はありません。写真を一枚選び、紙に頭と尾の位置を置いてみます。その間の形を見直すと、細長さや体のふくらみが気になってきます。

今日残すのは、輪郭と、気づいた特徴を一つ。その絵に短い言葉を添えれば、次に図鑑で何を見たいかも考えやすくなります。