ザリガニはなぜ脱皮する?硬い殻と成長の仕組み

一匹だけ飼っているはずのザリガニの水槽に、もう一匹ぶんの形がある。よく見ると、片方は薄い殻だけ——。初めて抜け殻を見つけると、何が起きたのか驚きます。
ザリガニは、硬い殻を脱ぎ、新しい殻を広げて大きくなります。 硬くなった殻は、そのままでは大きく広がりません。新しい殻は脱ぐ前から古い殻の下に用意され、脱皮のあとに広がって硬くなります。
目次
体の外を覆う、硬い殻
ザリガニの体を覆う硬い殻は、「外骨格(がいこっかく)」と呼ばれます。人の骨のように体の内側にあるのではなく、外側から体を支え、守っています。
硬い殻は体を守るのに役立つ一方、成長に合わせてそのまま大きく広がることはできません。そのため、古い殻を脱ぐ「脱皮(だっぴ)」が必要です。
米国ライス大学のOpenStax生物学教材では、ザリガニを含む甲殻類の外骨格と、成長のために殻を脱ぐ仕組みを説明しています。殻を一枚ぬぐことは、ザリガニの成長の一部なのです。同じ甲殻類でも、サワガニの子どもが小さなカニの姿で生まれる育ち方は、サワガニの赤ちゃんはどこで育つ?卵から小さなカニへで紹介しています。
新しい殻は、古い殻を脱ぐ前にできている
脱皮は、古い殻がなくなってから新しい殻を作り始めるわけではありません。古い殻の下で、新しい柔らかい殻を準備します。
準備が進むと、背中側の頭胸部と腹部の間に割れ目ができ、そこから古い殻を脱ぎます。頭胸部は、頭と胸が一つにつながった部分です。抜け殻にハサミや脚の形も残るため、もう一匹いるように見えることがあります。
脱いだあとの新しい殻は、まだ柔らかく、広がることができます。その殻が、やがて硬くなり、大きくなった体を覆います。この順序は、ルイジアナ州立大学のザリガニの生物学資料の脱皮の節でも説明されています。
硬くなる前は、殻による守りが弱い時期です。柔らかさを確かめようと触ったり、隠れているところから出したりせず、容器の外から見える姿を観察します。
抜け殻を見つけたら、外から見えることを分けてみよう
薄い殻が残っていても、ザリガニが隠れ家に入っていると、すぐには姿が見つからないことがあります。まずは、見えているものと、まだ分からないことを分けてみます。
| 外から見えたもの | 記録できること | それだけでは決められないこと |
|---|---|---|
| ハサミや脚の形が残った薄い殻 | どこに、どんな形で残っていたか | 脱皮が終わった正確な時刻 |
| 別の場所にいるザリガニ | 見えた位置や、そのときの動き | 新しい殻が十分に硬くなったか |
| 隠れ家の中で見えない姿 | 観察した時刻には見えなかったこと | 見えない理由や体の状態 |
「見えないから引っ張り出す」「動くかどうかつついてみる」とすると、観察のために生き物を刺激してしまいます。抜け殻らしいものを見つけた記録と、ザリガニの姿を見た記録を、別々に残しておきましょう。
脱皮する間隔は、みんな同じではない
若く、盛んに成長しているザリガニは、成長がゆっくりになったものより脱皮が多くなります。ただし、間隔は年齢だけで決まりません。水温や水の状態、食べ物などの条件も関わります。
そのため、「何日ごとなら正常」「この日までに必ず脱皮する」と一律には言えません。ほかの家庭の記録と日数だけを比べるより、同じ個体について、見えた出来事を続けて残すほうが変化を追いやすくなります。
- 抜け殻を初めて見つけた日と時刻。
- 殻が残っていた場所と、見えたハサミや脚の形。
- ザリガニの姿を見たときの場所と動き。
脱皮を早めるために水温や餌を急に変える観察ではありません。記録が少なくても、見ていない時間を想像で埋めず、「朝見たときには殻があった」と書けば十分です。書き方に迷ったら、川の観察ノートに何を書く?の、名前が分からなくても残せる記録のこつが使えます。
ザリガニの脱皮について、よくある質問
抜け殻があるのは、ザリガニが増えたからですか?
脱皮では、ザリガニが脱いだ古い殻が残ります。ハサミや脚の形もあるので、もう一匹いるように見えることがあります。抜け殻が一つ増えることと、生きている個体が増えることは別です。
脱皮が始まったら、殻を取ってあげたほうがいいですか?
観察のために、手や道具で殻を引っ張ったり剥がしたりしません。新しい殻が柔らかい時期なので、容器の外から静かに見ます。この記事は、脱皮がうまくいかないときの診断や治療を説明するものではありません。
一枚の抜け殻に、成長のあとが残る
脱皮を知ると、抜け殻は「もう一匹のザリガニ」ではなく、今まで体を覆っていたものだと分かります。ハサミの形や体の節がどこまで残っているか、外から眺めてみてください。
かわみっけの観察メモに残すなら、殻を見つけた日時と、見えた形を一つ。脱皮の瞬間を見ていなくても、成長のあとに気づいた記録になります。これから飼うことを考えている場合は、ザリガニを捕まえたあとの判断と飼う前の準備から確認してください。



